まずは、以下の英文をご覧ください。
Can you tell me the way to the school?
学校へ行く道を教えてくれる?
発話系動詞の基本形は4つあり、それぞれsay, speak, talk, tellです。上記の英文の場合、tellしか使えません。それは、tellには、「言葉で相手に何かを伝える」というコアイメージがあるからです。
相手に何かを伝えることから派生して、「知らせる」とか「教える」という意味へと範囲を広げているのです。
それに対し、sayは「声を発する」のが主な仕事です。歌の題名にもなった「say yes」であれば、「イエスと言う」という意味になります。
これがspeakになると、「言葉を発する」、つまり「話す」になります。つまり、意味のないことはspeakできません。
では、talkはどうでしょうか。「話す」という意味ではspeakと同じですが、双方向の会話というニュアンスが強くなります。
今日は、これら発話系動詞の4つの基本形を、ザックリと学んでいきます。
Sayを理解する
I said “hello” to my neighbor.
僕は隣人に「こんにちは」と言った。
Can you say that again?
もう一度言ってくれる?
Say something!
なにか言ってよ。
上記3例文は、声に出して発話する典型的な形です。
My son said, “I am thirsty”.
私の息子が、「僕、喉が渇いてる」と言った。
My son said that he was thirsty.
私の息子が、喉が渇いていると言った。
下の例文のようにthat節でつなげると、時制の一致が必要になります。
言う内容は、以下のように文の形をとることもできます。
People say he is smart.
彼は賢いらしい。
ここで使っているPeopleは、「世間の人々」を指します。
The book says so.
本にそう書いてある。
The sign says, “Keep to the left.”
その掲示には、「左側通行」と書いてある。
上記のように、無生物主語を使って、「~と書いてある」というときにもsayが使えます。
Speakを理解する
I speak Japanese.
僕は日本語を話す。
Ken speaks English.
ケンは英語を話す。
Risa speaks three languages.
リサは3か国語を話す。
上記のように、言語を話す場合はspeakの出番です。
Can I speak to your mother?
あなたのお母さんと話してもいい?
A foreigner spoke to me.
私は外国人に声をかけられた。
「話しかける」ときもspeakを使います。話しかける相手へとつなぐ前置詞toを忘れないようにしましょう。
My husband sometimes speaks about his dream.
夫は、ときどき自分の夢について語る。
夢や仕事など、内容のあることを「語る」のもspeakです。
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Talkを理解する
We talked about our favorite singers.
僕たちは、好きな歌手について語り合った。
I will talk to them tonight.
彼らに、今夜話してみるよ。
What are you talking about?
君たち、何を話しているんだい?
I was talking on the phone to my boss at that time.
そのとき、私は上司と電話で話していました。
Let’s talk about the problem.
その問題について話し合おう。
上記5例文は、いずれも「語り合う」「じっくり話す」など、二人以上の人数で会話することをあらわしています。その点、speakであれば、例えば相手が聴いていなくても、成り立ちます。Speakは「語る」ことが主眼だからです。
しかしTalkは、双方向の会話なので、「話し合う」ということになります。
Tellを理解する
I’ll tell you the truth.
君に本当のことを話すよ。
I told my son some stories.
息子にいくつかの物語を話してあげた。
Could you tell me a good English teacher?
良い英語の先生を紹介してくださいますか。
Please tell me the price difference.
その価格の違いを教えてください。
Will you tell him that I called?
彼に、私から電話があったと伝えてもらえますか。
言葉で相手に何かを伝えるのがTellです。この「伝達感」がTellなので、「紹介する」こともTellで言えてしまいます。
ここで今日の学びの最初に登場した英文に戻りましょう。
Can you tell me the way to the school?
学校へ行く道を教えてくれる?
Tellの「伝達感」が、さっきよりも感じられるようになったのではないでしょうか。