今日は助動詞のcanとcouldの使い方を学びます。また、それに付随して、「be able to」の効果的な使い方も学びます。
助動詞canの4つの使用方法
助動詞canには、日本語の「〜できる」「〜であり得る」「〜のはずがない」「~してもよい」に対応する4つ使用方法があります。
「〜できる」の使用例
I can change. 私は変わることができる。
She can speak English quite well. 彼女はかなり英語が話せる。
I can be myself with my best friends. 親しい友人たちといるときは自分らしくいられるんだ。
Can I change? 私は変われるだろうか。
疑問文はCanを先頭に出します。
I can’t change. 私は変わることができない。
否定形のcan’tは、can not あるいはcannotの短縮形です。
「〜できる」の意味においては、「be able to」を使うこともできます。
I’m able to change.
She is able to speak English quite well.
I’m able to be myself with my best friends.
We are able to deliver within an hour. わが社は一時間以内に届けることができます。
「〜であり得る」「〜のはずがない」は裏表で覚えると良い
It can be true. それは真実であり得る。
It cannot be true. それは真実のはずがない。
He can be trusted. 彼は信用するに足り得る。
He cannot be trusted. 彼は信用するに足り得ない。
「〜のはずがない」は上記のように、否定形で使われます。
「~してもよい」の使用例
You can use my smartphone. 僕のスマホ使ってもいいよ。
You can say anything in my class. 私のクラスでは君は何を言ってもいいんだよ。
Can I use your smartphone? あなたのスマホ貸してくれる?
日本語の「貸す」に引っ張られると誤英訳してしまいます。日本語発想の英文を作らないことが肝要です。
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使い分けが必要なcould
助動詞canの過去形としての使用範囲は実はきわめて狭いcould
I could speak English when I lived in England.イギリスに住んでいたときは、私は英語が話せました。
助動詞のcouldがcanの過去形として使える範囲は狭く、使用頻度は限られます。過去において継続的に何かができた場合にのみ使えるだけだからです。上記の英文ですと、イギリスに住んでいたとき(過去)は、英語を(継続的に)話すことができた、ということになります。
たとえば、親の仕事の関係で小学生の頃の一時期、イギリスに住んでいたのかもしれません。そのような人が、そのときだけ英語がしゃべれた場合であれば、上記のようにcouldを使って表現することができます。
しかし1度だけ何かができた(達成できた)などという場合にはcouldは使えません。この場合は、be able toの過去形was(were) able to を使います。
I was able to beat him at the Karate match. その空手の試合で彼をやっつけることができた。
空手の試合にせよ、陸上競技での記録にせよ、そのとき一回何かができたことを過去形で表すときには、couldは使えません。少しややこしいですね。そこで私は、過去に何かができたことを言いたいときは、was(were) able toを使うことをおすすめします。このwas(were) able toであれば、一回だけ可能だったことも含めて「過去にできたこと」をすべて表現できるからです。
We were able to have a lot of fun. 私たちはとても楽しめた。
We were not able to have fun. 私たちは楽しめなかった。
疑問形にも、be able toの形は使えます。
Were you able to sleep well? よく眠れましたか?
Were you able to enjoy Japan? 日本を楽しむことができましたか?
もし過去を訊いているつもりでcouldを使うと、別な意味になってしまいます。
Could you sleep well? よく眠っていただけますか。
Could you enjoy Japan? 日本を楽しんでいただけますか。
このように、couldは「〜してもらっていいですか?」と丁寧なお願いをするときにこそ使ったほうが良い助動詞なのです。
丁寧なお願いのときに大活躍する「Could you ~?」の形
Could you help me? 助けていただけますか。
Could you say it again? もう一度言ってもらえますか。
Could you get me some coffee? コーヒーをいただけますか。
このように、ていねいに何かを頼むときには「Could you ~?」の形が大活躍します。「Could you ~?」で始まる形の英文をたくさん覚えておけば「お願い名人」になれるかもしれません。
初心・初級者が覚えて役に立つcould表現
How is your day going? 最近調子はどう?
Couldn’t be better. 最高さ(この上なくいいよ)。
本来はIt couldn’t be better.と答えるのが文法的には正しいのでしょうが、会話ではこのItは省略されます。このItはyour day(訊かれた側からすればmy day)のことですから、それがcouldn’t be better「これ以上良くなりようがない」と言っているわけです。
It could be better. 「それはもっと良くなる可能性がある」の否定形ですね。
余談ですが、「How is your day going? 最近調子はどう?」も、会話ではHow isが短縮されてHow’s your day going? ハウジョデイゴウィン?のように聞こえるでしょう。Couldn’t be better.も、クドゥンビベラのように聞こえます。このように、発音するときは聞こえたとおりに話すことが大切です。
実は奥が深い「could」は完了形や仮定法などの文法が理解できるようになると一気に使い勝手が良くなります。しかし、初心・初級者のうちはこのページで説明している使用範囲で十分です。